世界には何種のキヌガサモヅルが分布するのか?

2018年の我々の研究結果で扱った日本産のデータに、北海で得られたキヌガサモヅルのデータと、ウェブ上のニューカレドニアのキヌガサモヅルのDNAのデータを加えた分子系統解析を行った。その結果、驚くべきことに、数千キロ以上離れたニューカレドニアや、大陸を隔てた北海のサンプルと日本のサンプルが比較的近い事が示された。
この日本+ニューカレドニア+北海の系統の中でもいくつかの系統群が見られている。これらを新種もしくは新亜種とするか、まとめてキヌガサモヅルとするかは、今後のデータの蓄積が待たれるところである。また、北海や太平洋海域でない、インド洋やアフリカ周辺、並びに南大西洋のサンプルなどを含めた解析を行えば、キヌガサモヅルの真の分類を明らかにできると予想される。
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